━━━スーッ...スーッ...



どれぐらい経ったのか、アタシは床で眠っていた。


隣にはカズキとカナエが寝ていて、二人とも寝息をたてて気持ち良さそうに眠っていた。


部屋は真っ暗で、テレビの画面だけがついてる。
少し空いた窓の隙間から、かすかにタバコの臭いがする。


アタシは横で眠っていた二人を起こさないように起き上がり、窓の方へ向かう。



「起きてたん?」



「げっ、あんたかよ」



チラッと覗いたベランダには、あぐらをかいてタバコを吸うアヤトがいた。



アタシは軽く窓の段差を飛び越えて、ベランダに出る。
そして、微妙な距離を開けてアヤトの横に座り込んだ。



「未成年がタバコなんか吸うなよな~、てか、アタシたばこ無理」



━━━ジュッ



「ごめんごめん」



アヤトはまだ吸いたての綺麗なたばこを、迷いもなく地面に擦り付けて、火を消した。

そして、ベランダからタバコを投げ捨てる。



「意外に素直なのね~(笑)」



「うるせーよ(笑)」



「いったー!!!なにすんの!(笑)」



アヤトはアタシのおでこにデコピンをする。
この空間がなんか懐かしくて、アタシはクスッと笑った。



「なーんかひさびさ、この感じ」



アヤトはアタシが思っていたことを、読み取ったように全く同じことを口にした。



「だねー、ちゃんと話すの3か月ぶりとか?(笑)」



アタシとアヤトは、彼氏彼女ができてから、全く絡みなんてなかった。
むしろ、お互いの相手がお互いの友達だったから、余計に絡みにくかったっていうのもある。



「なー、ルナ?」



「ん?」



━━━チュッ



...ん??


んーーーー?!?!!!!(゜ロ゜ノ)ノ



「え、なな、なに?!」



アタシはものすごい早さで、アヤトから離れた。
アヤトの唇が突然触れて、中学の時にバスケで鍛え上げた反射神経が反応してしまった(笑)



「ごめん...俺もルナも相手いんのにな...やのに、俺ルナのこといつも考えて、今したことずっとしたいって思ってた。」




うそでしょ??

あんたを忘れるために、そんな言い方最低だけど、あんたへのこの変な感情を忘れさせてもらうためにカズキと付き合ったんだけど?


カズキとはいい感じに来てて、なのに、なんでいま?!



アタシはなにも答えられないまま、アタシを見つめるアヤトから目をそらした。