「カズキくん、誘ってきたりしないの?」



カナエは、また不思議な顔をして聞いてくる。



「チューはするけど、そうゆうのはないかな...」



カズキとはほぼ毎日会ってるし、カズキがバイトじゃない日は、ほとんどアタシのために時間を使ってくれる。

アタシは門限があるから、夜中までは無理だし、たま~にお泊まりもするけどね、


いつも放課後アタシと遊んで、バイバイしたあとに友達と走りに行ったり、遊んだりしてくれてる。


あ、走りにってバイクね。


いつも、“アタシばっかじゃなくて友達と遊びなよ”って言ってもカズキは決まって、“んな、こと言われなくても友達とちゃんと遊んでるから気にすんな~”って言ってくれる。




「んー、泊まりとかしても、手だしてこないかな。てか、ちゅーして、腕枕してくれて、寝るってゆーのが普通になってる...」


アタシは少し頭を抱えながらカナエにそう言う。


「カズキって童貞なんかな?」


絶対知りもしないカナエに質問してみる。



「いや、カズキくん童貞じゃないよ」



そ、即答!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!



「彼女と長かったんでしょ~?アヤトから聞いた。そんだけ付き合ってて童貞はありえない!し、アヤト言わく、カズキくん、なかなかすごいって~(笑)」



ニヤニヤしながら話すカナエ。
なんで、彼女が知らないことカナエが、知ってんの。
ちょっと嫉妬するアタシ。



「そらそうか~、あんだけ長かったらそらしてるよな...なーんでアタシには何にもしてこないのーーーー」



「いや、すぐに手出されるよりよくない?大事にされてる証拠でしょ」



不安になるアタシにカナエは、どや顔でそう話す。

そんなもんなのか?
好きすぎてたまらないから、するんじゃないの?



「好きすぎてたまらないから、そうゆう行為ってするんじゃないん?」



アタシの質問にカナエは、ゆっくり顔を横に振る。



「大事にしたいから、簡単には手出さないもんなの。男わ!カズキ、アヤトによく相談してるよ?アタシ、ルナは大事にされてるな~って羨ましいもん」



カナエは少し寂しそうな顔をしながら小さく呟く。
アタシはその言葉の意味がイマイチ理解できなかった。