カズキは、アタシの前にココアを置くと、リビングを出ていく。

一緒に飲まないんか~い。
ひとり、心のなかでカズキにツッコミをいれる。


てか、カズキのお母さんいないのかな?
挨拶しなきゃ、だめじゃない?


━━━ガチャッ


「カズキー!お母さんは?もしかして寝てる?」


タイミング良く帰ってきたカズキに、問いかける。


「あー、看護師だし、夜勤とかでほぼ家いないんだわ。俺らが学校いってる間に帰ってきて、俺らが帰ってくる頃には仕事いってる!だから、家のこととかはほとんど、姉貴と俺でしてる!」


あー、だから、ココアとか入れ方あんなに手際よかったのか。
うんうん。納得。



「てか、カズキの部屋行ってもいい?リビング広すぎて、綺麗すぎて落ち着かない(笑)」


「あ、いいよ(笑)」


アタシはカズキが入れてくれたココアを片手に、リビングを出た。
カズキの部屋は、これまたリビングに比べてこじんまりとした6畳ぐらいの部屋。
ベッドとテレビと小さなテーブル一つだけと言う、シンプルな部屋だった。


「男の子の部屋にしては、綺麗すぎでしょ(笑)」


「あ、俺こう見えても結構きれい好き(笑)」


アタシとカズキは床に座り、ベッドにもたれてまた話した。