「ルナ。早く乗れ」


アタシはカズキに言われるがまま、バイクのケツに飛び乗る。
そして、行きしなとは違って、カズキのお腹に自分の腕を回した。

今は誰かに慰めてほしくて、誰かに甘えたくて、ついこんなことをしてしまう。


━━━ブォォォォン


走り出したバイク。
まだ少し冷たい風が心地よくて、ずっとバイクに乗ってたい気分になった。


「ルナ~ついたぞ、俺、それ取ってもらわないと降りれない」


「あ、ごめん」


回していた腕を、すぐに手解き、アタシたちはバイクからそっと降りる。