入学式のあとのできごと。
全て包み隠さずカズキに話す。


その間、カズキは頼んだハンバーグをくちいっぱいにほお張りながらもうんうんと相づちを打って聞いてくれる。
アタシはそれが妙に落ち着いて、時間なんて気にせずに、ため込んでた思いを話続けた。



「...とまぁ、こんなかんじかな」



「なーるほどなあー。ルナ、アヤトのこと好きなん?」



アタシは少し覚めたスープを一口飲む。


「いや、分かんない。好きとか好きじゃないとかそうゆう感情はあるかも分からないけど、とりあえず、むかついた、アヤトに、ただそれだけ!」


「...俺さ」


━━━チロチロリン♪


カズキの言葉を遮り、アタシの携帯が爆音で鳴り響く。


げっ!!!まま?!( ゚ロ゚)
うわっ、知らんと間に門限過ぎてた...
どうしよ...


「どしたん?」


「ごめん!カズキ!ちょっとままから!アタシ門限あってさ~。もうとっくに過ぎてるんだよね(笑)」


アタシは人差し指で頭をポリポリかきながら、苦笑いをする。
このまま帰って怒られるのもめんどくさいし、かといってこの爆音で鳴ってる電話を出るのももっといやだ(笑)


「ちょっと貸してみ!」


カズキはアタシの手のなかから、勝手に携帯をとり、電話を出た。


<あ、もしもし!初めまして。ルナと同じくらすの松永カズキって言います!今日、俺がルナのこと怪我させてしまって。自転車こぐのも辛そうなんで、今日家に泊めます!俺の親看護師なんでなんかあってもまかせてください♪>


?!?!?!ってちょっと!!!!
なに、泊める?アタシを?!
待て待て待て、軽く見られるの嫌だったんじゃないの?!(笑)


<はい!まかせてください!失礼します>


━━━プッ


カズキは丁寧な言葉を並べて、電話を切った。
そして何事もなかったようにアタシの手のひらに戻す。