何が間違っていたんだか、何かいけないことをしたのか・・・
全くわからない。
ただわかることは・・・・私は高校2年生にして
妄想・変態・ナルシストストーカーが私をいつも見ていること。
しかもそれはきっと同じ学校。マリア学園の教師か生徒。
だって・・・・そうでなきゃ・・・・
Wing1 心の羽
学校名:マリア学園
学年:高校2年生
クラス:B組
性別:女
出席番号:26番
名前:月森 心羽
ふりがな:つきもり こはね
「・・・・はじめっ」
用紙に必見事項を書いていよいよテスト開始。
これまでこの日のために何十時間勉強したか・・・
毎日学校が終わるとすぐさま家に帰ってすぐ勉強。これを2ヵ月は繰り返した。
私の名前は月森心羽(Kohane-Tukimori)。
思いやる『心』が『羽』のようにたくさんあってほしい。という意味の名前だと昔聞いたことがある。
私が住んでいた所は田舎。 こっちのほうに上京してきて今は学園近くのマンションで暮らしています。
少し茶色がかった髪。
そして茶色の目。
私の友達は
「まるでタイガーアイだね。 心羽は虎じゃないけど」
と笑いながら言っていた。
一方テストのほうは、いままでの甲斐あってかペンはすらすらと進んでいく。
「終了」
えっ!?と思って時計を見るとテスト開始からちょうど1時間経っていた。
いくらなんでも早くないか?時計の見間違いじゃないか?
とか思いながらもちゃんと時計を見るとやっぱり1時間きっかし経っていた。
ここまで集中してテストしたのは初めてかもしれない。
いや、初めてだ。
自分、やればできんじゃん!
今回は、空欄は多少あったものも、前回のテストよりは出来がよかった。
これで少しでも順位が上になれば・・・少しくらいは進路とかに役だってくれるだろうか。
私の・・・・私の将来の夢は作詞作曲家。いろいろとあって
本当は音楽の専門学校に行きたかったんだけど 普通科になってしまった。
それでも独学で音楽の勉強はしてきた。
そして日直の生徒が号令をかけて6限目のテストは終了。
部活は何も入っていないから、すぐに帰れる。
部活に入っていないのは、音楽の勉強をするためだ。
だったら吹奏楽とか管弦楽やらなんやらに入部すればいいとフツーなら思うだろう。
でも、あたしは、楽器が吹きたいとかそういうのじゃない。
まぁ、作詞作曲の勉強してるからギターは弾けるけどさ。
それなりに歌も歌える。
なんか・・・・自分で自分をさっきから褒めているような気がする。ナルシストみたいじゃんか。
「心っ羽ぇーっ!!」
陽気で元気な声が私を呼んだ。
そこで、私の心の、主に感想とか書かれた黒板は消され始めた。
その声は・・・透き通るようなきれいな声。もちろんその声の持ち主は知っている。
「何、小夜?」
そう、彼女は光永小夜(Koyori-mitunaga)。中学からの友達。そして私の1番の親友。
私の目をタイガーアイだと言っていた子。
背は162㎝の私より5cm低い157㎝。
少し茶色がかった髪。 私と同じ。
ポニーテールで耳の後ろのほうで結んでいるのが特徴的。
目は宝石のような赤。 実際には知らないけど噂だとカラコンらしい。
本当かどうかは、噂だから定かじゃないけど。
性格は、元気で前向き。
そんな小夜は私を「お姫様だね」といってはやし立てる。
私は違うと否定し続けているのだけれど
いつだったか小夜は
「だって、姫みたいに可愛いし・・・・でもその顔とスタイルで彼氏がいないって・・・・小夜が彼氏になりたいくらいだよっ!」
と言っていた。
確かに私に彼氏がいない。
本当はコクられたりするんだけど、断っている。
「私よりかわいい子はたくさんいるんだよ? 私と付き合っていいことないよ」
と言い続けてきた。
ただ、付き合いたくないから言ってるだけであって、本当にいいことがないのかまではわからない。