「ま、事情はわかったよ。テキトーに流していりゃいいんでしょ?

でもいいじゃん、あっかの家に泊まるのは結構楽しみにしてたんだ」


お盆の次の週の土曜日、仕事を終えたマナが北川市から車を飛ばしてうちに来てくれた。

大樹達のことは8時に迎えに行くことになっている。


「こないだ再会したばっかなのにごめんね。もし大樹じゃない方がマナのタイプだったら、それは全然仲良くなっても構わないし」


「あっかこそ、大樹って人じゃないもう一人の方を狙ったら?」


実はそれも考えてなくはない。

そりゃ大樹のことは好きだけど、できるのなら私だって普通の恋愛をしてみたい。

大樹のことを忘れられる人がいればとは、常々ぼんやりと考えてはいるのだ。


それでも大樹がいるうちは自分から出会う気なんてない私も、やっぱり面倒くさがりなんだろうな。