『この世界から悲しみが消えてしまえば、素敵な世界になると思いませんか。』
彼女は言う。
「それは、悲しみが消えたときに分かるものだ。」
でも、と付け足し彼は言う。
「喜、怒、哀、楽、これは、人間が持つ様々な感情だ。キミも知っているだろう。」
『えぇ、もちろん。』
「喜怒哀楽という言葉まであるんだ。それがなくなって良いはずがないと僕は思う。」
それは、もっともな答えだ。
だが彼女は、そんな当たり前の答えを求めているわけではない。
かといって彼を咎めるようなことはしなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…