向かった先の体育館にはもちろんいつものようにバスケ部が居た


のに、いくら探しても、隆の姿はなかった


「どうして、、、」



「那月」


その声にいつも以上に反応して勢いよく振り返る


そこには練習用のジャージを着た隆の姿


いつもならかっこいいと見つめる私の瞳が、今日はそんな風には映してくれない



直視が、できない・・・




「那月」


「あ・・・た、たまには練習してる姿見ようかなーって思ってきてみたんだけどっ!
い、居なかったから戻ろうかなって思ってて!!」


心臓が意味わからないほどにドキドキしてる


息ができない。そのせいで、いつもみたいに話せないでいる


隆は何も言わない



早く何か言ってほしい


「あ!もしかしてトイレ行ってたり「殴りたいなら殴れば??」




「・・・・ぇ」


「見てたんだろ?」



耳の奥がうるさい


ドリブルの音??ドスン、ドスンと響く音