立ち止まった分だけ
出社時間が近づきはじめる
「じゃ、ちゃんと寝るんだよ。」
そう言うのが精一杯だった
定時に間に合わせるなら
歩かないと間に合わない
「また、電話するね。」
そう言って終了のボタンを押して歩き始めた
手に触れる空気の冷たさで
季節が進んで行くのを感じた
距離がこんなに辛いと思ったことはなかった
一体何を怨んだらいいんだろう
この気持ちを持て余して
そんなことを考え
その情けなさに後悔した
歩きながら自分の気持ちを整理してみる
ハルが風邪をひいた時を思い出す
彼の部屋に初めて入った日の事だ
もし
こんな時に
私より可愛くて優しい女の子が
ハルの部屋に来たらどうなるのだろう
あの日の様に
二人きりの部屋に
そう思っただけで
胃がキリキリと痛みだした
たとえハルが
その気がなくたって
強引で勝手な女だったら
ハルはどうするんだろう
断ってくれるかな
あの日の思い出を汚すような
ことがあったら
いったいどうしたらいいんだろう
何より
彼の傍にいられない哀しみが
心を冷たくさせた
あの日のように
彼を独り占めできるチャンスだったのに
そう思うと
どうして良いかわからず
とりあえず
会社に行き椅子に座る事だけを
考えた
出社時間が近づきはじめる
「じゃ、ちゃんと寝るんだよ。」
そう言うのが精一杯だった
定時に間に合わせるなら
歩かないと間に合わない
「また、電話するね。」
そう言って終了のボタンを押して歩き始めた
手に触れる空気の冷たさで
季節が進んで行くのを感じた
距離がこんなに辛いと思ったことはなかった
一体何を怨んだらいいんだろう
この気持ちを持て余して
そんなことを考え
その情けなさに後悔した
歩きながら自分の気持ちを整理してみる
ハルが風邪をひいた時を思い出す
彼の部屋に初めて入った日の事だ
もし
こんな時に
私より可愛くて優しい女の子が
ハルの部屋に来たらどうなるのだろう
あの日の様に
二人きりの部屋に
そう思っただけで
胃がキリキリと痛みだした
たとえハルが
その気がなくたって
強引で勝手な女だったら
ハルはどうするんだろう
断ってくれるかな
あの日の思い出を汚すような
ことがあったら
いったいどうしたらいいんだろう
何より
彼の傍にいられない哀しみが
心を冷たくさせた
あの日のように
彼を独り占めできるチャンスだったのに
そう思うと
どうして良いかわからず
とりあえず
会社に行き椅子に座る事だけを
考えた