少し冷たくなった空気を頬にかんじながら

速足でライブハウスに向かう

夏と違い暗い夜道もハルに逢えると思うと

ドキドキして

嬉しくて

自然に足取りも軽くなった

歩道橋を超えて大きな道を

左へと入ると大きな公園の通りへと出る

ハルのいるライブハウスはその先だった


大きな公園の横を行き交う

コートを着た人達をかわしながら歩いた

とても幸せだった



逢いたくて恋しくて

とても大切な人

ホントは彼を独り占めして

ずっと一緒にいれたなら

何度そう思っただろう

彼のことが好きすぎて

なんだかそれ以上言えなかった

今のこの関係が壊れるのが怖かった

ハルを無くすこと

それ以上に怖いことなんてなかったんだ

ハルと出逢って

私の世界は変わった


彼はいつも自分の夢に向かって

真っすぐだ

私の知らない世界を見せてくれた

彼の傍からみる彼の世界は

私の世界と良く似ていたけれど

少し違っていた

スポットライトの中で笑っている彼

彼と感じるその一瞬の煌めきを

一緒に感じていたい

彼にはそこで笑っていて欲しい

そこに居る為に

彼がどんなに努力をしたか

知っていたから