私たちが次々と上の階へ向かう度、それに合わせるようにビルの中に無機質な声で放送が流れた。




『センタービル7階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい……』




『センタービル8階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい……』




『センタービル9階にゾンビが大量発生しました。

プレイヤーは逃げて下さい……』




下の階をのぞき込めば、大量のゾンビたちが、私たちを追って階段を上ってきていた。




〈 立ち止まってはダメよ…… 〉




私は走り続ける苦しさに耐えながら、自分に言い聞かせた。




〈 立ち止まったら、あのゾンビたちの群れに飲み込まれる。

そんなのって、絶対にあり得ない!

私はゾンビのエサじゃない! 〉