「ゾンビたちがこっちにやって来る……。

ダメだよ、蒼太。

この先には行けないよ」




獲物を見つけたゾンビたちが、千載一遇のチャンスとばかりに、私たちに狙いをつけて、迫ってくる。




あの群れに飲み込まれたら、金属バットも拳銃さえも、何の意味ももたないことは、考えないでも理解できた。




私たちは、群れをなして迫ってくるゾンビたちに背を向けて、今来た道を振り返った。




するとそこには、醜いゾンビに姿を変えた海斗が、不気味に笑い、ヨダレを垂らして、立っていた。