「凛子、約束するよ」




星空を見上げる私に蒼太が話しかけてきた。




「凛子が危ないときは、オレが凛子を守る。

凛子が泣き出しそうなときは、オレが凛子を励ます。

凛子がくじけそうなときは、オレが凛子の手を引く」




私は蒼太の方に顔を向けずに、蒼太の声だけを聞いていた。




「だから安心しろよ。

オレたちは、リアルな世界に帰るんだ。

絶対に!」




私はそう言った蒼太を無視するみたいに、星空を見上げていた。




だって、今、蒼太と目を合わせてしまったら、私はきっと泣き出してしまうから。




そんなのって、私らしくない。




私はツンとそっぽを向いているようなかわいくない女だから。