「凛子、この『ゾンビ街』の空って、オレたちがいたリアルな世界の空に繋がっているのかな?」




私は蒼太が言ったその言葉が、蒼太らしくて、思わず笑った。




「蒼太、何言ってるの?

『ゾンビ街』はドリーム社が作った悪夢の世界だよ。

そんな架空の世界の空と私たちがいたリアルな世界の空は、繋がってないよ。

二つの世界は、全然違うところにあって、交わることはないと思うよ」




「そうかなぁ……」




蒼太はそう言ったあとににこりと笑って、私の顔を見つめた。




「だけど、繋がっていて欲しいよな。

そうすれば、リアルな世界でも、このきれいな空が見れるのに……」




「麻美や海斗も、今夜、一緒にいれたら良かったのに……。

ねぇ、蒼太。

私、この『ゾンビ街』に来るまで、人が死ぬって、あり得ないことだって思ってた。

私たちが大人になって、それでもまだ歳を重ねて、
おじいちゃんやお婆ちゃんになっても、私たちはずっと友だちだって思った。

でも、私のそんな考えは間違っていたんだね。

人の命ってさ、本当はいつ終わりを迎えるかわからない。

だけど、それってつらいよ。

私はもう誰の死にも立ち会いたくないから……」