私は中学生のときから、ずっと蒼太を見てきた。




蒼太は男のくせに、スポーツもしないで、いつも図書館で本を読んでた。




大人しくて、内向的で、女性に対しても奥手で、友だちの海斗とは真逆のタイプ。




私はハッキリしない性格の蒼太にやきもきしながらも、いつも蒼太を気にしていた。




私は誰よりも知っていたから……。

蒼太は誰よりも優しくて、仲間思いだって。




こんなにわがままで、素直になれない性格の私にだって、いつも変わらず優しい人だって……。




私は、素直になれない性格だから、いつも蒼太の反対のことばかり言って、蒼太を困らせてたかもしれない。




でも、それってきっと、私が優しい蒼太に甘えていたんだね。




私は誰にも言うつもりはないけど、蒼太が好きだ。




蒼太だけは、私にとって特別な存在だから。




私の心の中には、いつだって蒼太がいたから……。