私は夕食を終えると、蒼太と別れ、あてがわれた部屋のベッドに寝転んだ。




そして私がベッドの上で目を閉じると、私のまぶたの裏側にあの醜いゾンビたちの顔が浮かんできた。




「食わせろ!」




そう叫んで、人間に群がってくる腐った死体たち。




麻美も海斗も瑞穂も雄大も、みんなゾンビに殺られてしまった。




そして、最初にいた『ゾンビ街』のプレイヤー30人も、今は私と蒼太だけ。




ゾンビに殺られた他の仲間たちは、一生、この『ゾンビ街』をさ迷い、リアルな世界では、二度と目を覚まさない。




もしかしたら、明日、ゾンビの餌食になるのは、私と蒼太かもしれない。




私はそう思うと、胸がドキドキと音を立てて、いても立ってもいられずに、目を開き、起き上がった。




今、この安全地帯の家の中にいて、少しも身の危険はないはずなのに、私は不安と恐怖で押しつぶされそうで、息が苦しくなってきた。




私はもう蒼太にしか頼れない。




でも、私は本当に蒼太を頼っていいの?




それってきっと、私らしくないことだから……。