「私たちはリアルな世界から、この『ゾンビ街』に迷い込んで、悪い夢を見させられているんです。

ドリーム社が作った最悪の夢が、この『ゾンビ街』なんです。

美紗さんは、ずっとこの『ゾンビ街』で生き続けていくのかもしれないけれども、私たちは違います。

私たちには、帰らなくちゃならないリアルな世界があるから……。

私たちは、こんな悪夢の世界で死にたくないから……」




私は美紗に話しかけているうちに、真剣な口調になり、今にも泣きそうになっていた。




「美紗さん、私たちって、本当にリアルな世界に帰れるんですか?

私たちは、抜けられない悪夢に入り込んでしまったんですか?」




美味しそうな料理も蒼太の存在も忘れてしまいそうなくらい、私はこの世界のことを真剣に考えていた。




「凛子さん、この『ゾンビ街』はちゃんと抜け出せるようにプログラムされています」




私は美紗の言葉を、前のめりになって聞いていた。




「次のミッション3は、この『ゾンビ街』での最後のミッション。

それをクリアすれば、ホラーゲーム『ゾンビ街』はクリアです」




私はその美紗の言葉に胸が踊った。




この最悪の世界にも、ようやく終わりが見えてきた。




ミッション3は、私たちの最後の試練だ。