「凛子、止めなよ。

絶対に勝てないよ」




麻美は北側の階段から少しだけ頭を出して、私に向かって叫んでいた。




「凛子さん、ゾンビたちが迫ってます。

逃げなくちゃ、凛子さんが死んじゃいます」




瑞穂が泣きながら、私を心配していた。




私は迫りくるゾンビたちに怯えながら、自分は本当に損な性分なんだと、つくづく思った。




私は、ホラーが苦手で、ゾンビなんて見たくもない。




私がもし一人だったら、私は悲鳴を上げて、この場から逃げ去るだろう。




でも、私には守らなくちゃいけない仲間がいるから、私は恐ろしくても戦うしかない。




私は絶対に、仲間を失いたくはないから……。




「ゾンビたちは、私が引きつける!

ゾンビは音に反応するから、絶対に機関銃を撃つ私に集まってくるはずだから」




私はそう言って、近づいてくるゾンビたちを撃ち始めた。