男のゾンビが私たちの存在に気づかないまま、私たちの近くを通り過ぎていった。




〈 お願いだから、早くこの部屋を出ていって！

そうしないと、私たちの息が…… 〉




男のゾンビが、ようやく私たちに背中を向けて、部屋の外に出ようとしたとき、
突然、男のゾンビは歩くのを止めて、立ち止まった。




私は、男のゾンビが、急に歩くのを止めたとき、不吉な予感がして辺りを見まわした。




すると、私のとなりで、麻美が息苦しさから、呼吸を止めていられずに、肩で息をしていた。




〈 息をしちゃ、ダメ……。

そんなことをしたら、ゾンビに気づかれる…… 〉




麻美に続いて、瑞穂も息苦しさに耐えきれずに息をした。




そして私も、二人の様子を見て、息を止めていられなくなった。




部屋にいる三人が、息苦しさに耐えきれずに、荒い息をしたとき、
男のゾンビは、部屋の中を振り返り、私たちに顔を向けると、うめき声を上げた。




｢食わせろ！｣




私はそのおぞましい声を聞きながら、ゾッとして震え上がった。