「凛子、早く建物の中に入ろうよ。

解毒剤を見つけないと……」




麻美は瑞穂の普通ではない様子を見て、私に言った。




「わかったわ。

それじゃ、中に入るわね」




「この建物の中にも、ゾンビっているのかしら?

凛子さん、私、ゾンビが怖いです。

私、早く家に帰りたいです」




「瑞穂、わかってるよ。

だけど、今、瑞穂がしなくちゃならないことは、解毒剤を探して、飲むことなの」




「凛子さん、わかりました。

私、みんなの足手まといだけど、頑張ります」




私は瑞穂の言葉にうなづくと、解毒剤倉庫の入口の扉を開けた。