私はこのビルの部屋の中をくまなく探しながら、
大切な友だちの麻美のことを思った。




麻美は私とはタイプが違って、大人しくて優しい優等生タイプの女の子。


麻美は私とは違って、感情をむき出しにして怒ったりはしない。


蒼太と同じ文芸部に所属していて、地味な生徒ばかりがいる文芸部の中で、麻美のかわいらしさは際立っていた。




〈 かわいらしい大きな目に、ショートボブの少しだけ茶色い髪。

笑った顔は優しくて、ちょっとしたアイドルみたい。

麻美と私は違うよね。

だけど麻美は、私の大切な友だちなの 〉