「ないわ……。

どこにもないわ……。

私たち、ドリーム社のロゴ入りの機械を本当に見つけられるの?」




ビルの17階まで来たとき、麻美は不安そうな顔で私に言った。




麻美のその表情は、まるで怯える小動物みたいで、
私は麻美の気持ちを思うと胸が痛んだ。




「麻美、きっと大丈夫よ。

私たちは絶対に見つけられるわ」




「だけど、もしも見つけられなかったときは、私たちはゾンビの餌になるの……。

凛子、私、怖いよ。

本当に怖いよ。

私はゾンビになりたくないよ」




「麻美、弱音を吐いちゃダメよ。

勇気を出すの。

私たちは、自分のできることをやろうよ。

私たちなら、絶対にできるわ」




私はそう言って、今にも泣きそうな麻美に笑顔を見せた。