―20××年・冬― 「由希ちゃん、 由希ちゃん。」 「ん? 何、お母さん?」 「由希ちゃん、 もうすぐ高校受験でしょ。」 「そうだね。 それがどうかしたの?」 「あのね、 由希ちゃんにはね、 高校は、 “桃瓜学園”に 通ってほしいんだ。」 「えっ、 なんで!?」 お母さんの 突然な要求に、 戸惑いを 隠せないながらも、 問いかける。