☆
飴は梅干しかと言うほどに酸っぱさが増していた。何となく今僕が見ている景色は理解する事が出来た。
あの時はちょうど、2学期始まって3か月が過ぎた頃だった。時計の針は10時45分を指していた。授業はロングホームルームで何か楽しいことをやろうと前に決めたのだった。 僕に悲劇が起きたのはそのほんの間もない、数分だった。
思い出したら、怒りがこみあげてくるほどの酷さだった。これが虐めなのかと……
「おーい、誰か手品の台になってくれないかなー……」
女子の声は残念ながら他の生徒には届かず皆が口々に喋っていた。
結局自ら立候補する人が居なく、指名制で決める事になった。
「皆誰が良いと思う?」
「そうだなー。うーん。居ない。」
「じゃあ、今後ろ向いた孝雄君お願いしても良い?」
僕は進行が遅くなってはいけないと思い、仕方なく了承した。
「じゃあ決まりー」男子がそう言うのと同時に楽しいロングホームルームは始まったのだった。
マジックはとても早く進み、とうとう僕の必要な時にあった。
「このペットボトルのフタを開けまーす。すると……」
「ぶしゅーん!」さっきまでペットボトルの中に入ってあった水が孝雄の全身にかかったのだ。
「孝雄君…ごめんなさい」
「アハハハ」皆が馬鹿な奴をみたかのように笑っていた。それによって彼女の謝罪も掻き消された。
僕は皆を睨み倒し、怒った。
「お前ら人の顔でよく笑えるなー。此方は冷たい思いをしてるのに!」
「あんたが避けないからでしょ。何言ってるのー。」
「大体さーあんたがしっかり予測してなかったから駄目だったんだろ。」
最後にはまるで酷かった。先生までもが僕の言う事を聞いてくれなかった。
先生が職員室から様子を見に来てくれた。
チャンスだと思った。
「先生、クラスの人等が酷い事してきます。助けてください。」
「どんなのがあったかは知らないけど、謝りなさい。孝雄君に。」
「じゃないと先生、楽しいロングホームルーム止めるよ。」
その途端クラスがざわめき始めた。
「えーそれはやだなー」
「僕は無関係だもん。」
「て言うか、虐めてないしー、遊んでいただけです。」
このクラスには味方なんて居ないんだ。唯一頼りになる彼でさえも、無視をするようになった。
もうどうでも良かった。友達なんて居なくても、……学校に行く気が薄れてしまった。
けど、それで良かったのだ。
飴は梅干しかと言うほどに酸っぱさが増していた。何となく今僕が見ている景色は理解する事が出来た。
あの時はちょうど、2学期始まって3か月が過ぎた頃だった。時計の針は10時45分を指していた。授業はロングホームルームで何か楽しいことをやろうと前に決めたのだった。 僕に悲劇が起きたのはそのほんの間もない、数分だった。
思い出したら、怒りがこみあげてくるほどの酷さだった。これが虐めなのかと……
「おーい、誰か手品の台になってくれないかなー……」
女子の声は残念ながら他の生徒には届かず皆が口々に喋っていた。
結局自ら立候補する人が居なく、指名制で決める事になった。
「皆誰が良いと思う?」
「そうだなー。うーん。居ない。」
「じゃあ、今後ろ向いた孝雄君お願いしても良い?」
僕は進行が遅くなってはいけないと思い、仕方なく了承した。
「じゃあ決まりー」男子がそう言うのと同時に楽しいロングホームルームは始まったのだった。
マジックはとても早く進み、とうとう僕の必要な時にあった。
「このペットボトルのフタを開けまーす。すると……」
「ぶしゅーん!」さっきまでペットボトルの中に入ってあった水が孝雄の全身にかかったのだ。
「孝雄君…ごめんなさい」
「アハハハ」皆が馬鹿な奴をみたかのように笑っていた。それによって彼女の謝罪も掻き消された。
僕は皆を睨み倒し、怒った。
「お前ら人の顔でよく笑えるなー。此方は冷たい思いをしてるのに!」
「あんたが避けないからでしょ。何言ってるのー。」
「大体さーあんたがしっかり予測してなかったから駄目だったんだろ。」
最後にはまるで酷かった。先生までもが僕の言う事を聞いてくれなかった。
先生が職員室から様子を見に来てくれた。
チャンスだと思った。
「先生、クラスの人等が酷い事してきます。助けてください。」
「どんなのがあったかは知らないけど、謝りなさい。孝雄君に。」
「じゃないと先生、楽しいロングホームルーム止めるよ。」
その途端クラスがざわめき始めた。
「えーそれはやだなー」
「僕は無関係だもん。」
「て言うか、虐めてないしー、遊んでいただけです。」
このクラスには味方なんて居ないんだ。唯一頼りになる彼でさえも、無視をするようになった。
もうどうでも良かった。友達なんて居なくても、……学校に行く気が薄れてしまった。
けど、それで良かったのだ。