一際目立たない道沿いに駅がある。名前はゆらゆら各停列車…誰もがあまり聞いた事のない名前だ。
ただしそこには不思議な言い伝えがあるらしい。
孝雄はそんな言い伝えを耳にし、この駅に停まる列車に乗った。入ると気持ち良いぐらいのエアコンが点いていて、今にも寝れそうだ。
何分か経つと、駅員らしくない人が私の前に立ち笑顔で「こんにちは」と言ってくれた。
孝雄はこの列車の言い伝えを知っているので、再度この人に聞いてみることにした。
「この列車って希望をくれるって本当ですか？」駅員らしい人は「はい、出来ますよ。」と軽く言った。
「あぁ一つ訂正しておきます。私達はあくまでもあなた方、此処に乗客してくださった方に今後一歩でも前へ進めるよう希望のきっかけをあげるだけです。ですので、後悔なさらぬように。」
「えぇ!話しと違うじゃないかよ。はー。」
孝雄は今までの期待とは裏腹にとても残念だったと思った。