飴の味はさっきとは全く違いかなり苦い味に変わった。風景は病院を映し出していた。そこには僕が何処に行っていても、文句を言わず笑っていてくれた母親の姿があった。でも、何時もとは違って母は笑ってはいなかった。
「高山さーん、2番にお入りください。」
治療室から聞こえる母と医者の声。聞えてくるものは良いものではないのだと知った時、帰ってきて泣いているのが、僕が冗談だと思って❛え?❜と聞き返して何も言ってくれななったのが分かった。
「肝臓癌です。残念ですが、余命は4か月です。」
「先生!私はやっぱり死んでしまうんですか?
息子の顔見れないんですか?そんなの嫌です。」