「優弦君…。」

「あんだよ…。」

不機嫌そうに言う。

「俺様な優弦君が好きって子は必ずいるよ。少なくとも私はそうだから…。」

私が笑うと優弦君は何故か顔が赤くなった。

3度目だ…。

「また、顔赤くなってますよ。」

「うるせっ。」

「私、そろそろ戻りますね?」

私はそう言い、教室へ向おうとすると手首を掴まれた。

「なんですか?」

「ありがとう…。」

「感謝されることしてない気がするんですけど…。」

「でも、俺はお前の言葉で気持ちが軽くなったから…。」

そう言って笑った。

その笑顔に胸が締め付けられた。

病気?

「それは、よかったです。それでは、先行きますね。」

「おう。」