「はぁ…。寒みぃんだけど」
季節はちょうどあの頃と同じ、吐く息が真っ白な冬だった。
そんな中、はじめてのカレカノっていう関係に浮かれまくっていた俺とアイツがいて。
ただ、傍にいたくて。
放課後になると、決まって俺の狭い部屋で一緒の時間を過ごしていた。
あの日もそれは同じで、樹理が俺の部屋に来ていた。
珍しく2人で試験勉強してたんだっけ…?
『ねぇ、海斗。この公式に代入したらいいのかな?』
突然、樹里が甘えたような声を出しながら…
俺の肩に自分の肩をピッタリとくっつけてくる。
もしかして…俺のこと誘ってる?