儀式の様な朝を迎える度に、何故だかしまった、という気持ちになる。 サッカー部の汗の匂いが、風に乗って俺の肌を掠める。ありきたりなチャイムが担任のつまらない朝の業務連絡を聞くホームルームの時間が5分前に迫る事を知らせる。 俺は、古びた木製の下駄箱に入れられた青のスリッパを履き、茶色の革靴を代わりに寂しそうに空いた空間にいれてやる。 そして、右手に淡い緑色の小さな封筒を手に持ち、薄暗く冷たい廊下を進み教室へ向かう。