「恭臣・・くん・・・」



身体が沈んでいくのを止められなかった。



恭臣がとっさに手を差し伸べてくれなければ冷たいタイルに頭を打ち付けていただろう。



葵は恭臣の腕の中で気を失ってしまった。




「葵さん!」



まだ教室に残っていた生徒が騒ぎ出す。



「先生呼んでこようか!?」



「いや、保健室に運んだ方が早い」



恭臣は葵を抱き上げると保健室へ向かった。