「ご朝食はこちらでございます」



宇津木に案内されて入った部屋に新聞を片手にコーヒーを飲んでいた紫月がいた。




「おはよう」



紫月が葵の姿を目にするとまぶしそうに目を細めた。



「おはよう 紫月」



紫月の横に行くと腰をかがめて頬にキスをする。



外国育ちの葵にはこの仕草は挨拶代わりだ。



一歩下がろうとすると紫月の腕が葵に腰に回った。



バランスを崩して紫月の方へ倒れかけた時、紫月は葵の唇にキスをした。