「紫月は日本に帰る・・・・」



だいぶ落ち着いてきた葵に紫月は驚かせるような事を言った。



「お前を日本に連れて行く」



思いがけない言葉に顔を上げる。



涙に濡れた顔でも葵は綺麗だった。



「・・・今なんて・・・?」



大きな目が更に大きくなった。



「葵を一人にはさせないよ」



紫月が微笑む。



「日本へ行こう」



紫月は葵の華奢な身体を引き寄せると抱きしめた。