「葵!」



紫月の冷たい声にビクッとなる。



葵は首を横に振ると紫月から逃れようとあとずさる。



「あっ!」



紫月の空いている手が葵の手首を掴んだ。



「いやぁ!離して!」



紫月から身をよじり逃れようとする。



その瞬間、葵は長い腕に包まれた。



頬が紫月の胸に当たる。



「葵・・・ 大丈夫だから、落ち着け よくがんばったな」



優しく子供をあやすように髪の毛を撫でられる。