「葵・・・」


紫月は葵の後ろに立ちもう一度呼んだ。



名前を呼ばれてビクッとした葵がゆっくり振り向く。



「紫月・・・?」



目の前に現れた紫月を見ても目が虚ろだった。



そのうつろな目は真っ赤で痛々しかった。



おそらく亡くなった日から今まで泣き通しだったのだろう。



「さっきの言葉、本気で言ったのか?」



紫月の紫暗色の瞳を真っ直ぐ見ていられず葵はうつむいてしまった。