葵は両親と美緒の出来たばかりの墓石の前に立っていた。



微動だせず、大きな瞳から大粒の涙が流れ落ちては白い百合の花束を濡らしていく。



「パパ、ママ、美緒・・・」



葵を孤独感が襲う。



この数日は何も考えられない状態で3人が死んだ事すら理解できなかった。



今日の合同葬儀でやっと3人が死んでしまったんだと理解した。



近所のおばさんが何かと世話をしてくれていた。