「葵様、もしかしてご存知なのでは?」


「何を・・・ですか?」


葵は首をかしげて宇津木を見た。


「葵ちゃん、4日以内に君がこの屋敷から出て行かないと使用人たちが全員解雇されるって知っているんだね?」


葵の聞き方がぎこちなかったのを見て榊が尋ねた。


「・・・・日本を早く離れたいのは本当の事ですから」


「葵さん・・・」


恭臣はこんなに早く行ってしまう葵に寂しさを感じた。


宇津木は胸を痛める。


自分は追い出されてもかまわないが他の使用人が突然解雇されるのは困る話だった。