「榊先生、もう大丈夫です あたし大丈夫です」


葵は榊ににっこりと笑った。


久しぶりに見る葵の笑顔だった。


その笑顔にしばし見惚れる。


「榊先生?」


「ん?あぁ、そうか、良かった」


無理をしているのが分かるから榊はそれだけしか言えない。


「もう夕食の時間ですよね、榊先生も一緒に食べましょう 恭臣君も誘ったんですよ」


葵がドアの取っ手に手をかけた。


「そうさせてもらうよ 葵ちゃんの食欲がどのくらい復活したか見れるからね」


「たっくさん食べますよ」


笑いながら2人はダイニングルームへ降りたのだった。