泣きたいだけ泣くがいい・・・。


そうでもしなければ君は壊れてしまうだろう。


榊はベッドの端に腰をかけて泣き続ける葵を見守った。


しばらく泣き続けた葵は泣きつかれて眠ってしまった。





葵に上掛けをかけてしばらく見守っていた。


部屋にノックがあり榊がドアを開けに行く。


宇津木だった。


「悪党は帰ったんですか?」


榊が聞くと宇津木の顔が緩んだ。


「悪党ですか・・・本当に血も涙もない人たちです・・・紫月様が亡くなって間もないと言うのに・・・・」