数日が経つと婚約パーティーの時に会った紫月の叔父が弁護士を連れてやって来た。



葵はほとんどの時間を紫月の部屋で過ごしている。


今にも「ただいま」って笑いながらドアを開けて入ってきそうに思える。


紫月の書斎のイスに座ってぼんやりしているとドアがノックされた。


葵はのろのろと立ち上がりドアを開けに行った。



ドアの前に立っていたのは宇津木だった。


困った表情をしている。


「宇津木さん・・・？」


「紫月様の叔父上の結城様がいらしておりまして・・・葵様を呼んでおられます」


言いづらそうに宇津木が言うと葵は小さく溜息を吐いて紫月の部屋を出るとドアを閉めた。


紫月の叔父様があたしに何の用だろう・・・。



紫月の財産をめぐって色々な人たちが争っているらしいと聞いている。