その日、葵は授業も集中できなかった。


(早く終わらないかな・・・・)


「葵さん、気もそぞろって感じですね?」


「あっ・・・恭臣くん・・・」


何度か呼ばれていたらしい。


「紫月がブラジルへ10日間出張なの・・・」


それでか・・・と恭臣は思った。


なんとなく心細そうな顔をしている。


「10日間なんてすぐですよ 理事長だって葵さんのことが心配なはずですから 葵さんが元気でないと心配で仕事に集中できませんよ?」


「うん 分かってるよ 今度は大丈夫」