「お疲れ」


やっとお賽銭を投げ入れ、両手を合わせて人ごみの列から抜けられた。


「どこからこんなに人が集まってくるの・・・・」


初めての草履も今では脱ぎたい気分だった。


脱力している葵に紫月が笑った。





帰りの車の中で紫月の肩にもたれて葵は眠ってしまった。


無理も無い。


時刻は2時を回っていた。