「俺が10歳の頃」


「えっ!?10歳?」


葵はビックリして上半身を起こした。


起こすと胸が丸見えになってしまい急いで元に戻った。



「そう 俺たちは両親をなくしたもの同士 お互いの辛さや痛みが分かる これからは家族になって幸せになろうな そして何年後に俺たちの子供がいてくれたらもっと幸せだ」


葵の唇の端に軽いキスをする。


「そんなに小さい頃に亡くなっていたなんて・・・紫月は偉いよ」


途方にくれた小さい頃の紫月を想像してしまい涙ぐむ。


「泣かないで 俺には宇津木夫妻がいてくれた その息子たちもいたから寂しくは無かった それに勉強する事が多くて毎日があっという間に過ぎていったんだ」


悲しむまもなく・・・。