少しして静かに眠っていた葵の顔がゆがみ頭を振り始めた。


「葵?葵!起きるんだ」

紫月が近づき葵を起こす。


紫月の声に葵はパチッと目をあけた。


「・・・し・・・づ・・き?」


目の前にいる紫月が信じられない。


幻かと思ってしまう。


「ただいま 葵」


葵の身体をぎゅっと抱きしめる。


抱きしめられて色あせていた今までがぱあっと色づいた気がした。


葵は笑顔を浮かべたがすぐにすまなそうな顔になる。


「ごめんなさい・・・お仕事・・・」


「葵、そんな事は気にしないでいいんだ お前の方が大事なんだから」