突然、窓際の机の上に置かれているホテルの電話が部屋の中に鳴り響いた。



紫月は葵を離すと電話に出た。



流暢な英語だ。



何ヶ国語も話せる紫月の頭の中をのぞいてみたいと思ってしまう。



そして自分はさっきのキスのせいで動けないというのに何事もなかったような涼しげな表情。



「葵・・・すまない もう時間だ」



ネクタイを締めなおしている。