「葵さんっ!」


恭臣がとっさに腕を伸ばして支えてくれなかったら倒れていたに違いない。


気を失ってはいなかったが葵は目を閉じていた。


「具合が悪いんですね?保健室へ行きましょう」

恭臣が葵を抱き上げようとした。


「だ、大丈夫だから もう帰る・・・・」

めまいが治まり葵は恭臣の腕から自分の力で立ち上がった。


「顔色が悪いですよ?医者に見てもらったほうが良い」


「大丈夫だから 宇津木さんに言わないでね」


(宇津木さんに言ったら紫月の耳に入ってしまう)


「・・・・わかりました 帰りましょう」