「・・・紫月はいつ帰って来るのか知っていますか?」


(紫月に会いたい)


この不安な気持ちを静めてくれるのは紫月しかいないのに。


「聞いておりませんが 電話で確認いたしましょう」

葵の様子がおかしい事に気づいた宇津木は申し出た。


「い、いいえ いいの 大丈夫」


(忙しい紫月に心配はかけられない)


葵は弱々しく微笑むとダイニングルームに行った。


その後姿を心配げに宇津木は見守った。