「紫月・・・」



言葉が出なくて紫月の首に腕を回す。



「葵?」



あふれ出る涙は紫月のシャツを濡らしていく。



「うれしい・・・」



家族が亡くなって独りぼっちになった。



でも紫月が家族になってくれる。



葵の片隅に住み着いていた不安は消えて無くなった。