「どこでプロポーズをしようか迷ったんだ」



「プ、プロポーズ・・・!?」



紫月は手にしていた小さな箱を開ける。



「食事にバラの花束 綺麗な夜景の見える場所、色々なシチュエーションを考えたけど・・・」



紫月の紫暗色の瞳に見つめられて葵の目がさらに大きくなる。



「紫月・・・」



葵は天に舞い上がりそうなほどうれしかった。



「葵、結婚して欲しい」



その言葉を聞いてせきをきったように葵の瞳からは涙が溢れ出た。