目の前に紅茶のセットが置かれていた。



葵はティーポットを手に取るとカップに注ごうと持ち上げるが手が震えてうまく持てない。



やだっ! 手の震えがとまらない。



「やるよ」



紫月がティーポットを取り上げると代わりにカップに注いでくれた。



優雅なしぐさだ。



育ちが現れるのだろう。



女の葵でも悔しいくらいに優美だ。